マンションを借りるとき、管理費という項目が目にとまることがありませんか。
その金額はさまざまで、管理費なしの物件から、なかには管理費だけで数万円かかるようなものもあります。
管理費はいったい何に使われるお金なのか、修繕積立金や共益費とは違うのか、相場はいくらか、また、管理費なしの物件は本当に良いのかについて詳しくご説明します。
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弊社へのお問い合わせはこちら賃貸マンションの管理費・修繕積立金・共益費の違い
賃貸マンションの管理費も修繕積立金も共益費も、建物やその土地の管理をするために使われるお金のことです。
それぞれの違いをお伝えします。
管理費とは
マンションの管理費とは、そのマンションの事務処理や、設備や共有部分の維持と管理に必要な費用のことです。
大家さんではなく、賃貸マンションの住人が負担するのが一般的です。
たとえば、以下のような項目が管理費として使われています。
●エレベーターなどの設備点検
●建物やごみ捨て場の清掃
●管理員の人件費
●害虫駆除や花壇の手入れ
修繕積立金とは
マンション全体に対して定期的な点検をおこない、長期計画にしたがって大規模修繕をおこなう際に使われる費用のことを修繕積立金と言います。
管理費は住人が日常的に使う共有部分の日々のメンテナンスにかかる費用なのに対し、修繕積立金は建物全体に対して大規模に必要な費用を指します。
分譲マンションの場合はその部屋の持ち主が毎月支払うことになりますが、賃貸マンションの場合は大家さんの負担となります。
そのため、賃貸契約で住人に修繕積立金が請求されることはありませんが、住人が外壁を傷つけたなど、故意や過失があればそのときに請求されることになりますのでご注意ください。
修繕積立金は以下のような項目で使われます。
●建物診断
●外壁工事
●屋上防水
●設備配管
共益費とは
マンションの住人が日常的に共同で使用もしくは利用する設備や施設を運営するにあたって必要な費用のことを共益費と言います。
賃貸マンションでも住人が負担するのが一般的で、管理費と似ているため、「管理費・共益費」と一緒に記載され、金額も合わせて書かれることがあります。
以下のような項目が共益費にあたります。
●共有廊下電球の電気代
●エレベーターの電気代
●オートロック設備の電気代
●監視カメラの電気代
賃貸マンション管理費の相場
管理費や共益費の使い道を規定する法律もないので、いくらに設定するかは管理会社か大家さんが独自の基準で決めています。
そのため、はっきりとした管理費の相場というものは存在しません。
ただし、管理費の決め方の基準となりやすいものはありますので、それをご紹介します。
家賃に対応した決め方
家賃の5~10%ほどが管理費・共益費として設定されていることが多いです。
たとえば月6万円の家賃なら、3,000円から6,000円ほどが管理費として設定される計算です。
これ以上高い場合はなにか理由があることもあるので、気になるようなら不動産会社に聞いてみると良いでしょう。
床面積に対応した決め方
マンションでは同じ建物であっても管理費は同じ金額とは限りません。
床面積に合わせて管理費を増減する決め方もあります。
たとえば、床面積20㎡の部屋では2,000円だった管理費が、30㎡の部屋では3,000円になり、広い部屋ほど管理費が高くなる計算です。
付帯設備に応じた決め方
マンションにある設備が充実しているほど管理費は高くなる傾向にあります。
エレベーターには維持費や電気代がかかりますので、エレベーターが設置されているマンションでは管理費が高くなります。
同様に、オートロックや監視カメラが完備されているところも、設備の充実度合いに比例して管理費も高くなりがちです。
繁忙期か閑散期かでも違うこともある
1月から3月にかけては引っ越しをする方が多く、不動産業界の繁忙期になります。
その頃は空室が出てもすぐに次の契約が入るような状況なので、大家さんが家賃や管理費の工夫をする必要はありません。
しかし8月から10月にかけては引っ越しする方が少ない不動産業界の閑散期となり、空室が出てしまうと次の入居者探しに苦労することもあります。
そんなときに少しでも魅力的な物件に見せるために、家賃と管理費の割合を変え、管理費を上げて、その分家賃を下げることもあります。
入居者が毎月支払う総額は変わらないのですが、物件広告を見たときに目を引くように工夫されているのですね。
賃貸マンションの管理費なし物件はお得か
賃貸マンションでは、管理費・共益費0円を売りにしている物件も多数あります。
そのような管理費なし物件は本当に安いのかを考えてみましょう。
家賃に管理費が上乗せされていることもある
管理費なしとは言っても、その分家賃に上乗せされていることもあります。
たとえば、家賃6万円で管理費5,000円の物件と、家賃6万5,000円で管理費なしの物件では、入居者が払う総額は同じです。
管理費を取ることで家賃を安く見せる、もしくは反対に管理費なしにすることでお得感を演出する、というそれぞれの工夫の一環でこのような金額設定になっている場合もあります。
大家さんが管理費をいくらに設定して、どう使うかという明確な決まりがないため、家賃と管理費の境目はあいまいです。
キャンペーンなどで安くなっている場合もある
先ほどお伝えしたようなからくりではなく、不動産会社などのキャンペーンで、本当に安くなっている場合もあります。
入居者がなかなか決まらない閑散期にはこのようなキャンペーンがおこなわれていることもあるので、もしこのタイミングで部屋が見つかればラッキーです。
管理費なし物件のデメリット
管理費なしで、その分家賃に上乗せされた金額設定になっている場合、月々の支払い総額は変わらなくても入居者が損をすることがあります。
それは入居時または更新時にかかる費用です。
初期費用の敷金と礼金は家賃の何か月分と決められていることがほとんどなので、家賃が高くなっているとその分支払う初期費用も多額になってしまいます。
また、賃貸物件の更新時に支払う更新料も家賃の何か月分という決まりなので、同様に多くの金額を支払うことになります。
管理費なし物件のメリット
このように一般的には管理費が家賃に上乗せされていると損をしてしまうことが多いですが、会社で家賃補助がある場合は得をするかもしれません。
補助が出るのは家賃のみで、管理費・共益費は含まない、という会社規定であれば、本来補助されなかった管理費分の金額が家賃として補助されることになります。
お勤めの会社規定をご確認されると良いでしょう。
指標となる「めやす賃料」
家賃と管理費・共益費の関係は複雑なので、結局どの物件の賃料が安いのかわからなくなってしまいます。
そこでおすすめしたいのは「めやす賃料」を計算することです。
めやす賃料は、自分がその物件に4年間住んだ場合に支払う総額から、1か月あたりの支払い賃料を算出することです。
めやす賃料では月々の家賃と管理費・共益費の他に、敷金、礼金、更新料も含めて以下の計算式で考えます。
(4年間の家賃・管理費・共益費+敷金・礼金+更新料)÷48か月
これで導き出されためやす賃料で比較すれば、家賃や管理費だけにまどわされず、冷静に判断することができます。
まとめ
マンションの管理費とはなにか、修繕積立金や共益費との違いや、管理費の相場、また管理費なし物件についてご説明しました。
管理費はマンション共有部の管理に使われる費用ですが、その詳細ははっきりと規定がなく、家賃との兼ね合いで複雑なこともあります。
管理費だけで判断せず、支払う金額全体から、ご予算に合った素敵なお家を見つけてくださいね。
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