賃貸物件のなかに、「事故物件」と呼ばれる物件があります。
言葉は聞いたことがあっても、実際どのような物件なのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、賃貸の事故物件にスポットをあててご紹介していきます。
そもそも事故物件とはなにかという定義や、見分け方や告知義務についても解説しますので、賃貸物件をお探しの方はぜひ参考にしてください。
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最初に事故物件の定義や告知義務について解説します。
事故物件とは?
事故物件とは、入居者がなにかしらの原因によって、入居中の室内で死亡した物件のことを指します。
なにかしらの原因とは、病気や老衰などが原因の場合もあり、自殺や他殺、火災により焼死など、さまざまなケースがあります。
室内でなくなった訳ではなくても、死因に事件性がある場合にも、事故物件と呼ぶ場合もあり、はっきりした定義は曖昧です。
心理的瑕疵が影響する
死因が病気や老衰、家庭内でおこった不慮の事故などは、誰にでも起こりえることですが、自殺や他殺となると入居する際の心理に影響してきます。
どうしてもマイナスの感情を抱いてしまい、契約するかしないかの判断に大きな影響を及ぼしてしまいますよね。
告知義務
上記のような状態を知らずに入居して、あとから知った場合はどうでしょう。
告知してもらっていれば、そのような事故物件には入居しなかったという方がほとんどではないでしょうか。
そのような入居者の不利益をふせぐために「瑕疵担保責任」という宅地建物取引業法に定められたルールがあり、現在は「契約不適合責任」という名称に変更されています。
事故物件は心理的瑕疵のある物件という扱いになりますので、告知せずに賃貸借契約を結んでしまうと、たとえ隠れた瑕疵ににつき一切の担保責任を負わないなどの特約があったとしても、契約不適合責任を問われることになります。
国土交通省のガイドライン
賃貸住宅が事故物件になってしまった場合、告知義務があるのはわかりましたが、どの時点で、どの範囲まで告知しなければいけないのか曖昧でしたが、2021年5月に国土交通省からガイドラインが公表されました。
「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取り扱いに関するガイドライン」というものです。
国土交通省のガイドラインによると、「殺人、自殺、自己による死亡の場合」と「自然死、家庭内事故による死亡の場合」の2種類に分けて対応を明示しています。
「殺人、自殺、事故による死亡」の場合は、賃貸借契約を結ぶか否かの判断に大きく影響しますので、原則告知義務の必要があるとしています。
ガイドラインに明示されることになった告知期間は、賃貸の場合ですと事故の発生から3年間です。
また、事故が起こった場所が室内や専有部分に限り告知義務があり、建物の前の道路などに告知義務はありません。
専有部分以外にも、エレベーターや階段、廊下や共同玄関などの、入居者全員が利用するであろう共用部分で事故が起こった際も告知義務があります。
自然死や家庭内事故による死亡の場合には、誰にでも起こりえることとして、原則告知義務がありません。
告知方法
事故物件であるということは、賃貸借契約では重要事項説明の際に告知されます。
しかし、重要事項説明の際にはじめて事故物件ということを知るのでは現実的ではありません。
実際は、入居募集の際に告知事項ありという記載をするか、問い合わせや内見の際に告知するのが一般的です。
いずれ事故物件であることを告知しなければいけませんので、重要事項説明を聞いて契約をしないという判断をした場合、また一から物件探しや内見をする必要があり、双方にとって二度手間ですよね。
事故物件と知って入居したいと思う方が少ないため、一般的には家賃が多少下がるケースも多いです。
そのため、事故物件が気にならないという方のなかには、家賃を抑えるためあえて事故物件を選ぶという方もいます。
告知義務のある3年を経過した事故物件を見分け方について
事故物件の賃貸借契約をおこなう際、告知義務は事故から3年としています。
つまり、事故から3年を過ぎた物件に告知義務はありません。
しかし、借りる側としては、過去に事故があった物件に住むというのは、あまり良い思いはしません。
ここからは、告知義務のない自己物件を見分ける方法についてご紹介します。
家賃が相場より明らかに安い
立地も良く、築年数も割と新しいのに、明らかに相場より家賃の安い物件というのも存在します。
家賃が安いのには理由がありますので、内見の際に不動産の担当者に聞いてみると事故物件だということが判明する場合があります。
不自然なリフォーム
事故が起こった直後の部屋は、壁や床に血や体液が飛び散っていたりする場合があります。
発見が遅れると、血痕が落ちない場合があり、その部分だけ壁紙や床を張り替えたりする場合があるのです。
内見の際に、深堀りして聞いてみると、事故物件だということが明らかになるけースもあります。
物件名が変更されている
ニュースに載るような大きな事件だった場合、マンション名が明らかになり、周囲にも噂が広まってしまいます。
そのため、貸主としてはマンション名を変えて再建をはかろうとするケースもあるのです。
昔のマンション名で検索すると事件の内容が明らかになる場合があるので、チェックしてみましょう。
3年を経過しなくても告知義務がない場合もある?
事故が起こった後に入居者が居た場合、次の入居者には3年を経過していなくても、告知義務が発生しないという、ルームロンダリングというものがあります。
何年か前にドラマで取り上げられて話題になりましたが、実際にルームロンダリングをおこなう貸主が存在するのです。
たとえば、貸主の知り合いなどが、半年ほど事故物件を契約して告知義務をなくすという方法ですが、見分けることがむずかしくなってしまいます。
しかし、原則3年間は告知義務があるということを知っておくと、ルームロンダリングのおこなわれた物件に住んだとして、賠償責任を求めることも可能です。
賃貸の事故物件はお得?
事故物件は心理的にあまり住みたくないという方がいる一方で、まったく気にならないという方もいます。
実際に、事故物件は契約に関してはメリットがありお得に契約することも可能です。
どのようにお得なのか、みていきましょう。
家賃が相場の20~30%オフ
事故物件は相場より20~30%安い家賃を設定している場合が多いです。
事故物件であるという事実が気にならないのであれば、相場より安く借りることができるというのはメリットといえるでしょう。
敷金・礼金無料
家賃が相場より安くなるほかに、敷金や礼金を無料にして入居者を募集する場合もあります。
周辺の物件と同じ条件だと、あえて事故物件を選ぶ方は、そうそういません。
そのため、事故物件の空室対策として、敷金・礼金無料という物件が多くなるのも必然といえます。
リフォームされてきれいになっている
事故物件のほとんどが、リフォームしてから貸し出すことになります。
そのため、事故があったとはいえ、内装がきれいな物件が多いです。
事故物件という事が気にならないのであれば、家賃が安めで、敷金・礼金が無料、リフォームして内装がきれいという条件は、メリットが多いでしょう。
まとめ
今回は、賃貸の事故物件についてご紹介しました。
心理的に事故物件には絶対に住みたくないという方は、事故物件を見分ける方法を参考にしてください。
また、事故があったことが気にならないという方は、お得感がある事故物件を探してみるのも良いかもしれません。
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