不動産を遺産相続などで兄弟や親戚と共有所有者になった場合、不動産が共有状態になります。
さらに1つの不動産を複数人で所有することになるので、共有持分の理解が必要です。
共有持分でできることは、保存行為、処分行為、管理行為の3つがあり、何があてはまるのかや、不動産に対してできることなどをご紹介します。
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弊社へのお問い合わせはこちら保存行為とは?建物の状態を維持すること
不動産の共有とは、遺産相続によって兄弟などと一つの土地や建物を共同で所有している状態のことをいいます。
兄弟が3人いる場合は、相続する物件の共有持分は1に対して、それぞれ3人に3分の1ずつ割り当てられます。
話し合い次第では、ひとりが2分の1、残り4分の1を二人に割り当てをすることも可能です。
土地や建物を3人で相続し、遺産分割協議で相続人が3人と決まった場合は、3人の共有状態になります。
1つの不動産の所有権は3人と認められないため、それぞれに共有持分が割り当てられます。
物件を維持するための行動である
保存行為では、保有物件の状態を悪くならないよう、維持するための行動です。
不動産に痛みを見つけた場合、修理や修繕する行動は土地や建物の良好状態の維持につながる行動になり保存行為になるため、ひとりの決定で対応することができます。
保存行為をおこなうことで、状態が良くなるまたは維持ができる行動のため、他の共有者にとっても得になるので合意が不要です。
注意としてリフォームなどは、保存行為ではなく処分行為に扱われ、共有者全員の承諾をもらう必要があります。
さらに保存行為には、管理行為と処分行為との区別が非常にあいまいな状態になっています。
保存行為以外の行動は、ひとりでの判断で行動することが不可であると覚えておきましょう。
勝手に共有している土地や建物に対して、リフォームなどをおこなうと共有権限がなくなる恐れがあります。
さらに他の共有者から、原状回復請求や損害賠償請求される可能性もゼロではありません。
不動産に保存行為としてひとりで決定し行動できること
●修理や修繕など物件の維持
●相続による所有権移転登記
●不法占拠や無権利者に明渡請求
●保有者以外の抹消登記請求
明渡請求と損害賠償請求
共有物件に、第三者が不法占拠している場合は、保有者が単独で明け渡し請求が可能です。
この様な場面は、賃貸借契約を解除後も賃借人が明け渡しをしないで居座っている場合に、明け渡し請求ができます。
また不法占拠者に対して損害賠償請求も可能です。
損害賠償請求は、保存、管理、変更行為の概念にあてはまらないため単独で行えます。
しかし自身の土地や建物への保有持分を超える請求はできません。
また保有者のひとりが独占して利用している場合は、不法占拠にあてはまらないため明け渡し請求ができません。
不動産の登記登録の確認
まれに登記名義が保有者たちの名義になっていないことがあります。
無権利者の名義になっている場合は、単独決定で抹消登記請求が可能です。
法定相続登記の申請としなかった場合のリスク
土地や建物を複数人で相続が決まった場合は、自動的に法定相続人の共有状態になり、遺産分割がない限り土地や建物は共有状態です。
共有状態を各法定相続人ひとりで法定相続登記の申請が認められています。
法定相続登記をすることで、土地や建物の登記は法定相続分に従った共有登記になります。
土地や建物を3人が相続した場合は、それぞれ3人へ割り当てられた分(3分の1など)の法定相続登記の申請が可能です。
土地や建物を相続したのに、登記しないでいるとのちのちのリスクが高くなります。
とくに遺言書や遺産分割協議で相続人が決定したときに問題が発生します。
例として3人の子どもがおり、遺産分割協議でAさんが相続と決定後に単独登記が必要ですが、放置したとします。
BさんとCさんが法定相続登記を申請すると、土地や建物は共有名義になり、Aさんの持ち分がない状態になります。
BさんとCさんが、土地や建物を勝手に売却できることになり、非常にリスクが高くなります。
管理行為とは?物件に対してどんなことができるのか
土地や建物を、管理するための行動です。
管理行為は、物件の持分割合が半数以上同意をもらうことができれば、行動することができます。
1つの不動産を3分の1ずつ3人で割り当てた場合は、発言者ともうひとりの合意を貰えれば過半数の条件を満たすため、残りひとりの合意はとくに必要ではありません。
共有している土地や建物を賃貸にしたい、逆に賃貸契約を解除したい、家賃の変更などをおこなうことは管理行為になります、
主に下記2項目が管理行為にあてはまります。
●賃貸借契約終結
●賃貸借契約解除
不動産が賃貸契約になっている場合
共有している土地や建物が賃貸状態で、賃借人が家賃を滞納し続けるため契約解除したい場合は、管理行為になります。
そのため共有持分の過半数以上の同意が必要になり、3分割の場合は、ひとりの合意を貰う、または申し出人の保有分が過半数以上の場合は単独で決定ができます。
不動産の共有持分の処分行為について
処分行為をするには、共有者全員の承認をもらう必要があります。
土地や建物の売却や抵当権設定などの行為が、処分行為にあてはまります。
共有者がひとりでも反対すると、処分行為はできません。
下記10項目が処分行為になり、共有者全員の承諾をもらう必要があります。
●売却・贈与
●大規模修繕
●建物建築
●増改築
●土地・造成
●解体・建て替え
●分筆・合筆
●担保権設定
●長期賃貸借
●溶液権設定
共有不動産への抵当権設定
アパートの建築など何かを建築する際に、共有不動産を抵当権に設定するには、共有者全員の承諾をもらう必要があります。
金融機関と抵当権設定契約を締結するためには、共有者全員の署名押印が求められます。
ひとりでも反対すると話はなかったことになりますので、注意してください。
共有持分を手放したい場合は他の共有者に売却また買い取りをしてもらう
共有持分はもっているだけで、税金や管理費用がかかります。
収益のない土地や建物の権利があっても、勝手な行動や好きにすることはできません。
他の共有者の方に売却や持分買い取りの相談してみてもよいでしょう。
共有持分の売却は可能か
共有持分の売却は可能です。
自分の持分だけを買い取り業者に買い取ってもらうことができます。
不動産自体の売却は、共有者全員の合意が必要ですが、自分の共有持分だけであれば売却可能です。
共有持分の売却行動になるため、単独での決定ですすめることができます。
しかし共有持分1つだけの場合は流れが悪く、需要も少ないため、売却価格が低くなります。
例として1つの物件全体の売却であれば価格が2,400万円となりますが、3分の1を共有しており売却した際は2,400を3分割した800万円となりますが、実際は600万円以下になるでしょう。
収益もなく、税金や管理費用の支払いを抜け出したい場合は、売却価格が低くなっても売却すればお金は入りますので経済的メリットになります。
共有持分の売却のトラブル回避
自分の共有持分の売却行動は、単独決定で可能です。
しかし共有者に先に相談することをおすすめします。
相談なしで売却し、何かのきっかけで発覚した場合に、トラブルになることが多くなっています。
先に相談することで、他の共有者も売却を考えるきっかけになるでしょう。
まとめ
共有持分は、不動産に対して単独でできること、共有者全員の合意をもらうことで増えてきます。
何ができることか決定し、行動することが重要です。
保存行為、処分行為、管理行為の決定基準は覚えておきましょう。
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