土地や家を売却したいと考えたとき、不動産の価値を知るために不動産会社へ査定を依頼します。
その際の査定金額はどのようにして算出されているのでしょうか?
査定方法には3つの方法がありますが、一般的に使用されているのは「取引事例比較法」と呼ばれる方法です。
この記事では、土地の査定方法である「取引事例比較法」とはなにか、また道路や土地の形状が査定価格に影響するのかを解説します。
土地を売却したいとお考えの方は、ぜひ参考にご覧ください。
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弊社へのお問い合わせはこちら土地の査定方法である「取引事例比較法」とは
不動産の価格を求める手法の1つに取引事例比較法があります。
取引事例比較法では、まず売却する土地に条件が近い過去の成約事例を多く収集し、そのなかから適切な事例を選びます。
その後、必要に応じて売却する土地の事情補正や時点修正をおこない、前面道路や高低差などの要因を含めて比較評価する方法です。
似た条件の土地であっても、売り急いだ物件やギャンブル性の高い取引事例などは比較対象から排除します。
数字を使って具体的な例を出してみましょう。
たとえば、過去の成約事例が土地面積100㎡(30.25坪)・成約価格が2,000万円だった場合、2,000万円÷100㎡で1㎡あたり20万円の計算になります。
売却する土地が70㎡とすると、70㎡×20万円で、査定価格は1,400万円というわけです。
土地+家の場合、建物部分は原価法で計算する
土地部分の査定は取引事例比較法を用いるとお伝えしましたが、土地+家の場合、建物の部分は「原価法」にて計算します。
原価法では、まず現在建っている家を取り壊したと仮定して、再度同じ家を建設した場合いくらかかるのかを計算します。
そして算出した価格から建物の設備が古くなっている分のみ差し引くことで、査定価格を出す方法です。
このように建物は原価法、土地は取引事例比較法にて計算し、それぞれの金額を合わせた価格を「積算価格」と呼びます。
価格査定マニュアルについて
取引事例比較法においては多くの場合、不動産流通近代化センターが作成した価格査定マニュアルが用いられます。
住宅地価格査定マニュアルでは、住宅地(一般的な戸建て用の土地)を対象としており、山林やマンション開発用地、農地などは査定対象としていません。
その理由は、以下にあります。
マンション開発用地や規模のまとまった分譲戸建
不動産会社の利益を考えた価格で取引されることが多く、一般の売主・買主によって取引される一般的な戸建住宅用地とは、価格の捉え方が大きく異なるため
農業集落地域に在する土地や別荘地
一般的な住宅地と価格形成要因が異なるため
事業用地
収益性などをふまえた取引が多く、一般的な住宅地と評価方法が異なるため
続いて、条件記入用紙にて記入必須としている項目をご紹介します。
●査定地の査定年月日・事例地の成約年月日
●所在地
●土地の面積
●取引事例価格
●主たる移動手段
土地の査定方法に道路は影響する?
実は土地の査定額には、土地に面する道路が大きく影響します。
どんなふうに影響があるのか見てみましょう。
前面道路の幅
前面道路とは敷地に面する道路のことをいい、この道路幅員によって容積率が決まります。
容積率とは土地面積に対する建物の延べ床面積の割合を示しており、「100%」「200%」などと表記されます。
この容積率が高いほど大きな建物を建築できるため、低ければ低いほど土地の価値が下がるということです。
土地の間口
土地の間口は広いほうが、査定価格も高くなります。
なぜなら間口が広いと建物プランの幅が広がり、また日当たりも良くなるためです。
反対に間口が狭いと建物の形が限定されたり、人や車両の出入りが不便になったりと使い勝手が良くないため、土地の価値が下がります。
道路との高低差
土地と道路の高低差も査定価格に影響を与える要因です。
基本的に道路より高い土地のほうが低い土地よりも価格は高くなりますが、高すぎる場合は玄関までの階段を建設するなどのコストがかかり、価格が下がるケースもあります。
また道路より低い土地は道路の下水本管に排水が必要となり、ポンプアップに費用がかかるため価格が下がる原因になります。
つまり「道路よりもやや高い程度の土地」がもっとも良いといえるでしょう。
接道義務を満たしていない
接道義務とは、都市計画区域内で建物を建てる場合に、守らなければならない法規制のことをいいます。
その内容は「幅4m以上の道路に間口2m以上接していないと、建物を建てられない」というものです。
ここでいう道路とは、私道を含む建築基準法で定められた道路のことを指します。
この接道義務を満たしていない建物は建て替えができず、広告上に「再建築不可」と表示する必要があり、土地の価格が大幅に低くなってしまいます。
セットバック
先ほど解説した接道義務を満たしていない物件でも、前面道路の中心線から敷地を2m後退させることで、建物の建設が可能になるケースがあります。
これをセットバックと呼び、セットバッグした部分は道路と見なされます。
つまりセットバックした場所だけ土地の面積が縮小したことになり、土地価格が低くなるのです。
土地の査定方法に土地の形状は影響する?
土地の形状も査定価格に影響を与えます。
きれいな正方形や長方形の形をした土地は価値が高いですが、くねくねした土地や旗竿状の土地など形状が悪い土地は、相場よりも低い査定額となります。
形状の悪い土地が相場よりも低くなる原因は、敷地の形状にあわせて建物の形も変える必要があり、その分建築コストがかかってしまうためです。
ただし土地が広ければ敷地内における建物の配置制限が緩和されるため、広い土地ほど形状が与える影響は少なくなります。
旗竿敷地とは?
形状の悪い土地として例を挙げた「旗竿敷地」ですが、どのような形の土地かご存じでしょうか?
道路に接する出入口部分が、細い通路のような形をしており、その奥に家の敷地がある形状の土地を「旗竿敷地」といいます。
周囲が隣家に囲まれているため日当たりが悪い、駐車スペースが確保できない、また建設の際の重機が入りづらいなどの懸念点が挙げられます。
なお都市計画区域内に建物をたてる場合には接道義務があるため、道路と接する通路の出口部分は最低2mの幅がなければいけません。
面積が広いほど価格が下がるエリアもある!
先ほど土地の面積が広ければそれだけ価値は上がるとお伝えしましたが、反対に面積が広いほど価格が下がるエリアもあります。
具体的には、第一種低層住居専用地域内や市街化調整区域内など、規制の厳しいエリアの土地が該当します。
第一種低層住居専用地域では、基本的に戸建住宅しか建設できません。
たとえば500坪ほどの広い土地があってもマンションの建設などができず、かといって個人の住宅用地としては広過ぎてしまいます。
広い土地に戸建開発をおこなうケースも見られますが、その場合は土地の中に新たな道路をつくる必要があるなど開発コストがかかります。
開発コストがかかると、その分土地の販売価格も高くなりデベロッパーの利益が少なくなってしまうため、高い価格では売りにくいのです。
まとめ
土地の査定方法である「取引事例比較法」とはなにか、また道路や土地の形状が査定価格に影響する理由を解説しました。
取引事例比較法は、売却する土地に条件が近い過去の成約事例と比較して査定価格を算出する方法です。
土地の査定価格は、前面道路や土地の形状、地域性などさまざまなところから影響を受けます。
公法上の規制など難しい内容は専門的な知識も必要です。
土地や戸建ての売却でお悩みの方は、弊社までお気軽にご相談ください。
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